クライアントのモチベーションが落ちている時、コーチは、その原因に「真剣に向き合った結果」なのか、若しくは「安易に自らの力を放棄している」のかを見極めて、次のアクションを起こすことはとても大切なことです。

コーチングセッションでは、コーチが十分なスペースをもって、「クライアント」と「クライアントを包む全て(空間、音、エネルギー感など)」に集中して傾聴し、些細なことも見逃さず、クライアントの似非(偽物)の声に騙されることなく、真の願いをキャッチします。

クライアントが無意識に放つ似非(偽物)のエネルギーは、サボタージュとも言いますが、これは非常に巧妙なもので、一見、常識的な正論に聞こえるのですが、コーチの感覚を研ぎ澄ましていると、何か違和感があります。

本物の願いは、その時点でクライアントの力を封じ込めようとするエネルギーを簡単に凌駕するほどのパワフルなエネルギーを持っています。
ですから、コーチは、このエネルギーの差を確りキャッチすることを求められます。

そして、クライアントとコーチは意図的な協働関係のもと、コーチングの関係を継続することで、クライアントが「本物の願い」に気づいた時は、心も体も響いてしまうので、願いの扉を開かずにはいられなくなるのですね。
その結果、時には、短期間で驚異的な変化や決断をいとも簡単にやってのけてしまいます。

私はクライアントが本物の願いと自身のパワフルさに気づいた時の弾ける笑顔を目撃した時、コーチをやっていて本当によかったと身体の中から静かな喜びに包まれます。

これからもクライアントの中の「本物の調和」と「似非(偽物)の調和」を見極めることができるコーチであり続けていくために、自分自身の「本物の声」をキャッチできるように心をクリアにしたいと思います。

2021年12月3日
安達 由紀代